脳梗塞と大正琴。そして感謝!


比較的高齢者が多い生徒さんに対して、常日頃から健康に注意して過ごすようにと口癖のように云っていた私が今回、この様な病に出くわすとは、全く晴天の霹靂でした。結果的には、約2週間程の入院生活で、ほぼ後遺症も少なく退院出来たことは、医療関係者も驚くばかりでした。之も、指を動かす職業で毎日のように大正琴のお稽古に取り組み、また朝晩欠かさぬウオーキングを続けてきた賜物と感謝する次第です。

二週間前の朝、いつものように名城公園をウオーキングしての帰り道、何となく右腕肘に脱力感を覚え、帰宅後整髪の為のチックを右手で握ると握力が無く、違和感を覚えた。早めに朝食を済ませ、早速教室へ。職業柄大正琴に取り組み二・三曲弾いて見た。

いつものようにスムーズに演奏できた。安心して、午前を過ごし、昼食後、いつもの様に座椅子に座りテレビを見て時間になったので教室に行こうと立ち上がろうとしたら、なかなか、立ち上がれない、それでもどうにか立ち上がって玄関から外に出て教室に向かった。
道路を渡ろうとしたら今度は右足が思うように動かず足が縺れそうに成った。直ぐに自宅に引き返すと異変に気づいた家内がかかりつけの医者に連絡、安静の状態でとの指示のもと、直ちに救急車を呼んで名古屋第一赤十字病院へ。
初めての経験で車内は良く揺れた。
その間、我が身に何が起きたのか、頭の中を色んな事が走馬燈のように駆けめぐる。着後、待ち受けた医療スタッフが担架から担架へと移し替え直ちに点滴と簡単な問診が始まる。本人もようやく安堵感を覚える。

幸いに、右手の指を動かしてみると、何とか動き、またまた、一安心。
さぁ、治療方針も決まった!いよいよ闘病生活だ。
早速、家族の者に大正琴を病室にもってくるように頼んだが「未だ早尚」と相手にしてくれない。二・三日は我慢したが体が我慢出来ない。 四日目には音を出しても迷惑に成らない場所を見つけ愛用の大正琴をもって来てもらった。

毎食後、30分ずつのレッスンが始まった。最初はスローな「荒城の月」から始め八符音譜が多い「影を慕いて」そして16音符主体の「人生劇場」に挑戦!
なかなか返し弾きがうまくいかない。焦るな!と我が身に言いきかせる。回数を重ねるごとにピックの先に思いが伝わるように成ってきた。退院決定 二日前 「かっぽれ」や「元禄花見踊り」に挑戦、何とか弾きこなせる様になった。少しずつ自信が蘇る。
退院前日  いよいよ入院生活最後のレッスンとなる。本格的自信を取り戻す為に九弦大正琴でしか表現できない「津軽じょんがら節」に挑戦,しかしながら、繊細な表現がなかなかうまくいかない。 復帰後の更なるレッスンの課題として院内でのお稽古を終える事にする。

適切な処置を施して頂いた第一日赤病院の医療スタッフの皆さん、留守を守る家族全員の温かい愛情、そして師範代として私の代役を努めてくれたS子さん。  
有り難うございました。     感謝!

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