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2008年2月8日、大正ロマンの香りが漂う名古屋のお屋敷街・・・そこはまるでタイムスリップでもしたかのような趣のある洋館・『二葉館』(旧川上貞奴邸)。毎年2月8日は”ふたば”に因み「ふたばの日」記念日!そのアニバーサリーイベントにご招待いただいた記念演奏会♪

【大正琴でつづる!江戸から平成までの癒しのしらべ】と題して、江戸時代から伝わる古典的な邦楽曲や明治・大正・昭和・平成を代表する流行歌などを大正琴の生の音色にのせてお楽しみ頂きました。
二葉館は、日本の女優第1号・川上貞奴と電力王・福沢桃介が大正時代共に暮らし、政財界人や文化人の集まるサロンだった「二葉館御殿」(旧川上貞奴邸)を平成17年に再建。名古屋の新観光名所にもなっている記念館です。

”川上貞奴”といえば夫である川上音二郎とアメリカやヨーロッパに渡り、女優「貞奴」として舞台デビュー。パリ万博での公演が高く評価され芸術家のピカソやロダンを魅了、プッチーニの「蝶々夫人(マダムバタフライ)」という作品は彼女がモデルといわれる等”マダム貞奴”として一躍有名になった人です。貞奴は夫の死後に女優を引退しますが、名古屋に輸出向け最上級の絹を生産販売する会社を設立しました。そこで昔から馴染みのあった電力王・福沢桃介と事業パートナーとして共に暮らし、政財界人や文化人の集まるサロンといわれていたのが「二葉館」です。

大正時代に贅を尽くして建てられた和洋折衷の二葉館は、現在では国の文化財にも指定されており・・・煉瓦造りの屋根、螺旋階段、特に色鮮やかなステンドグラスは必見なのです!!

大正ロマンの香り高い館
で、大正生まれの大正琴の音色を奏でる・・・夢のようなコラボレーションが実現しました!

1階大広間から2階フロアーそして螺旋階段に至るまで大勢の人で埋め尽くされた満員御礼のお客様を前に始まった記念演奏会!
まずは、江戸末期、大阪は住吉大社に奉納された住吉踊りが源といわれる「かっぽれ」という邦楽曲からスタート!!五穀豊穣などを願う祝い唄を軽快なテンポにのせて生演奏で披露!!

続いては、明治から大正時代を代表する流行歌をメドレーでお届けしました。
センチメンタルな歌詞が当時カフェに通う、モボやモガたちの間で大流行したといわれる”籠の鳥”、そして大正浪漫を代表する画家・竹久夢二が作詩したといわれる”宵待草”、更に大正歌謡界の大スター・松井須磨子の大ヒット曲”カチューシャの唄”などの大正歌謡の名曲を、趣のある館内でしばしノスタルジックな気分で聴き入っていただきました。

江戸から明治そして大正と年代を追って、時代時代を映し出す音色をお楽しみいただき、時にはスクリーンを使って・・・大正琴誕生秘話や大正琴のしくみなどについてもご紹介しながら簡単なワークショップも体験して頂きました。

更に時代は昭和へと移り、昭和歌謡の代表といわれる古賀政男メロディから、戦前のヒット作と戦後ラジオ放送の復活をきっかけに大正琴の一大ブームを巻き起こしたといわれる名曲「人生劇場」を生演奏でお届けしました。
客席からは「やはり大正琴はこの曲だね〜」という声が聞こえてきました。
後半からは、二胡奏者の熊澤幸一さんにも加わって頂き、和楽器と中国楽器というアジアンレトロな雰囲気が漂うコラボレーションへ・・・
日本歌謡屈指のバラードであり、情景豊かなメロディと言葉の美しい詩、その独特なメロディはチャイナメロディとも云われる「蘇州夜曲」を大正琴と二胡と唄によるコラボレーションでお届けしました。
まるで”水の都”といわれる蘇州の風光明媚な情景が、二葉館いっぱいに広がるような癒しの空気が流れていました。
また袴姿のハイカラさんスタイルが好評を得ていたようです・・
続いては、昭和歌謡が最も繁栄した時代の代表曲へ・・・昭和の中頃、日本が高度経済成長に沸いていた頃に海外では”スキヤキソング”と親しまれた名曲「上を向いて歩こう」や、昭和の歌姫”美空ひばり”最後のシングル曲となった「川の流れのように」をお届けしました。
この曲は大正琴で聴いてみたいというリクエストも多く、大正琴特有の奏法で弦をふるわせながら弾くトレモロの音色が、まるで川がゆったりと流れているような、豊かな表現力で会場を魅了しました!


そして、時代は平成へと移り変わり、皆さんの記憶にも新しい名曲「千の風になって」・・優しく語りかける詩の内容に心救われた方も多く、平成を代表する癒しのしらべといえるでしょう〜。
今回は演奏をお聴きいただく前にスクリーンを使って、詩の朗読と合わせてイメージ映像をご覧いただきながら、来場者の皆さまには演奏に合わせて一緒に歌声で参加をしていただき大合唱となりました!素敵なハーモニーのコラボレーションは館内中に広がりました。

鮮やかなステンドグラス越から降りそそぐ、柔らかな日射しをあびながらお届けしてきた1時間余りのステージ・・・いよいよ最後の曲は、春先にふさわしい日本の古典的な邦楽曲から「元禄花見踊り」を生演奏でしめくくりました。

二葉館に暮らし華やかな日々を送っていた”川上貞奴”が、もしかしたら桜の花満開の季節には、この曲に合わせて美しい舞をサロン舞台でも披露していたかもしれない・・・という思いをはせながらお届けしました。
会場からは一糸乱れぬ艶やかな演奏に大きな拍手が沸き上がり、大盛況の記念演奏会となりました!
ご来場頂きました皆さまには、立ち見という状態にもかかわらず、長時間にわたり最後までおつきあいを頂き誠にありがとうございました。

その昔は多くの文化人が集う、レトロ&モダンが融合する歴史的な趣のあるサロンだった”二葉館”で、名古屋の伝統文化である大正琴の生の音色が響きわたり、早春のひとときをお楽しみ頂きましたことを大変嬉しく思います。
この度はお招き頂き誠にありがとうございました。

今後も名古屋の”文化のみち”が益々発展していきますよう願っております。
>> ●文化のみち二葉館ホームページ
>> ●中日新聞なごや西ホームニュースに掲載されました!

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